5月8日発行の帝国ニュース「鼓動」に掲載されたました!

5月8日発行の帝国ニュースに掲載されました!その内容をご紹介いたします。

「劣等感をバネに適応力を養う」

自衛隊へ入隊

私は父親の仕事の関係もあって、15歳までに7回の転校を経験しました。

2年毎に転校していたのですが、当時はそれを当たり前と捉えていたので環境の変化に対する抵抗感はありませんでした。今思えば、環境に適応しようとする姿勢、淋しさや辛さを割り切る思考は幼少期から無意識に養われていたと思います。
定住した福岡で高校を卒業するころ、世間は就職氷河期であり、何も決まっていなかった私は2年間のアルバイト生活をしていました。卒業後に仲間と集まるたびに感じた劣等感は、この後海上自衛隊に入隊する動機になりました。

入隊後は基礎訓練、規律厳守、連帯責任など団体行動の基本を叩き込まれました。自身が鍛えられ変化していく身体、体得していく礼節や知識、団体行動の一体感は私の思考や視野を少しずつ広げていきました。護衛艦部隊に配属されたのち5年満期で退官し、 自身をもっと成長させたいという思いから佐川急便に入社しました。

店長職を拝命

当時の佐川急便は実力評価の社風で、自身を試す絶好の職場環境でした。一人では到底終わらない業務量は刺激的であると同時に達成感を味わえる場面も多くありました。
入社から1年経過した頃、店長職(当時の呼称)を目指したい!と決意する事案がありました。自分がなんとかしなければ、という責任感に目覚めたからです。守りたい部下の存在、見返したい上司の存在、何よりこの会社をもっと良くしたい想いが強く芽生えました。

生まれて初めての感覚でした。

そのためには自身が社内で影響力を持たなければならない、圧倒的な実力と実績が必要であると自身を強く鼓舞したことを今でも記憶しています。結果、入社から9年目で店長職を拝命することができました。
店長職拝命後は更に上を目指したい向上心だけが原動力でした。しかし佐川急便もこの時期から、これまでの内部統制の見直し、改革を推進し始めていました。改革のスピードと方向性に適応出来なかった私は店長拝命から2年後の2011年8月、退職を選択しました。

「創造力を駆使し解決力に」

運送業に転換

退職後の私はプライドが足枷になっていました。

理想ばかりを追いかけ行動できず、似通った境遇の人間と慣れ合う時間がしばらく続きました。貯金を切り崩し、人の助けを享受しながら生活は出来ていましたが、自分の置かれている状況に毎日葛藤していました。
「このままじゃいけない」焦りと不安が爆発し2013年5月に起業を選択しました。とにかくやるしかなかった。こういった状況は佐川急便で培った経験と行動力が役に立ちました。
創造力、 解決力が知らぬ間に鍛えられ、逆境を楽しめるようになっていました。

Gライン設立から3年目まではとにかく売上を増やしていくことに専念していました。HP制作、営業活動、採用、物件契約、資金調達などトラックに乗務しながら全てをこなす毎日でした。
ガムシャラに取り組んだ甲斐もあって年商4億円まで割と早い段階で到達しました。しかし当時の倉庫業での拡大イメージが出来ませんでした。先行きに不安を感じた私は、前もって取得していた一般貨物運送事業の認可を活かし運送業への業態転換を決断しました。
運送業をスタートするにあたり自身の退路を断つため、新車のトラックを30台購入、その後は応募にも恵まれ、1年後には社員40人規模の会社になっていました。

しかし拡大を優先し過ぎた結果、現場責任者が20名の社員を扇動し、同業他社へ集団移籍するという問題に直面しました。原因は短期間で人員を増やし過ぎたことで現場が無法地帯になってしまったことでした。短期間で半分のDR (ドライバー)が離職したため現場は混乱、サービス品質の低下が招くクレームや社内のネガティブな雰囲気が事故を増加させ、 事業継続が危ぶまれる状況まで追い込まれました。

組織運営の順番を間違えた私の未熟さが招いた事案でした。なんとか残ってくれた社員達と立て直し、最悪な事態は回避出来ましたが、正常化まで数年を要しました。このとき支えてくれた社員のほとんどは現在、Gラインの要職に就いて事業の中心的存在で活躍してくれています。

「運送会社らしくない運送会社」

独自の採用活動

この事案が転機となり、私は採用活動の見直しに着手しました。
採用基準の設定「即戦力より新戦力」、 コンセプト設定「運送会社らしくない運送会社」そして発信力を高めるために全てのSNSにアカウントを開設し、独自の採用ブランディングをスタートさせました。同時期に開設した採用ホームページとSNSを連携させたオウンドメディア採用は、求職者の認知・理解共感をネット上で完結できるメリットがあり、今までにない求人効果を発揮してくれました。

人材不足が叫ばれる昨今、 応募数は年々増加し、2022年508名、 2023年は688名の応募をいただくことができました。
現在ではホームページ、SNSからの応募が全体の4割を占めるようになりました。オウンドメディア採用効果で現在、GラインはDR総数75名、DR平均年齢33歳、社員の9割が運送未経験からスタートした方ばかりであり、40名を超える20代の社員達が活躍してくれています。

人への投資環境整備部門で受賞

2017年に運送業をスタートする時点で2024年までに事業を安定させ、法改正にも対応出来るチーム編成を実現する。この2つのテーマを両立させるため強い使命感をもって7年間活動して参りました。
ブランディングやSNSの情報発信力を高めるだけでなく、 同時に育成方法や労働環境の内部 改善、 業績評価、 キャリアパスプランなどの制度設計、「運送会社らしくない運送会社」になるために思いつくことは全て実行して参りました。

そして先月3月14日、 経済産業省が主催する 「2023年度 はばたく中小企業小規模事業者300社」 の 「人への投資・環境整備部門」で受賞させていただくことができました。
ただひたすら愚直にやってきたことがこの時期に評価されたことは光栄であり、嬉しく感じています。

この受賞はきっと社員達の自信にもなったと思います。この先、業界がどの様に変遷しても私共のVISION 【運送業界を磨き輝かせる】を社員と共に実践して参ります。